アニサキスとは
魚介類(主にサケ・サバ・サンマなど)の筋肉や内臓に寄生する線虫がアニサキスです。寄生宿主の魚介類が死んで鮮度が悪くなると、アニサキスは筋肉に移ります。アニサキスは、全長2〜3cm、幅0.5〜1mmと目視できる大きさですが、半透明であるため発見できずに食べてしまう方もいらっしゃいます。生きた状態のアニサキスを摂取すると、体内で数日〜1週間程度生存するとされています。
お寿司やお刺身などで生魚を食べる際に感染することがほとんどで、火の通りが不十分な魚介類の摂取によって感染することもあります。
アニサキスが原因となる疾患
胃アニサキス症
胃カメラ検査で胃の中のアニサキスを発見した場合は、内視鏡の先端から鉗子をだして検査中に取り除くことが可能です。アニサキスを取り除けばつらい症状は無くなります。
当クリニックでは、経験豊富な内視鏡専門医・指導医が検査・治療を行います。
アニサキスアレルギー
アニサキスアレルギーをお持ちの場合、アニサキスを取り除いて十分に加熱した魚介類を摂取しても、アレルギー症状が起こるリスクがあります。
じんましんなどの軽度のアレルギー症状であれば、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬などで治療します。症状が深刻な場合は、ステロイドを使用します。アナフィラキシーショックが起こる恐れもありますので、症状が現れたら速やかに受診してください。
腸アニサキス症
生きた状態のアニサキスが腸に移ると、内視鏡で検査・除去することが困難となります。そのため、薬物療法で症状を抑えながら、アニサキスが死亡するまで数日〜1週間程度待ちます。腸閉塞などの合併症をきたして開腹手術が必要になる場合もあります。
消化管外アニサキス症
まれにアニサキスが胃壁を突き破り、消化管の外に飛び出ることがあります。発症部位によって消化管外アニサキスの適切な治療は異なります。魚介類の摂取後に耐えられないくらい激しい腹痛が生じた方は、速やかに受診してください。
アニサキスの検査
内視鏡検査
お寿司やお刺身などの生魚や加熱が不十分な魚介類を摂取した際に、激しい吐き気や腹痛が起こった場合は、まず初めに胃カメラ検査を実施します。
検査でアニサキスが発見されれば、検査中にその場で取り除くことができます。
当クリニックでは、経験豊富な内視鏡専門医・指導医が検査・治療を行います。お気軽にご相談ください。
アニサキスへの感染を防ぐためには
効果的にアニサキスへの感染を防ぐためには、アニサキスが寄生している魚介類を十分に加熱していない状態で摂取しないということに尽きます。
アニサキスは冷凍あるいは加熱すると死滅するため、安全に調理するためにはー20℃以下で24時間以上冷凍もしくは70℃以上で1分間以上加熱することをお勧めします。お刺身を作る際も、一度冷凍すると安全に食べることができます。