大腸カメラ検査について
大腸カメラ検査では肛門から大腸、回腸という小腸の一部まで観察することができます。大腸がんは大きくなるまで自覚症状がほとんどでないため、症状がでるころにはすでに病状が進行している場合が多いのです。
大腸がんは、大腸カメラ検査を受けることで早期発見・早期治療に繋げることができます。また、がん化する恐れがある大腸ポリープが見つかったら、その場で取り除くことも可能です。当クリニックでは、患者さんに苦痛のない、精密かつ安全性が高い検査を行っておりますのでご相談ください。
大腸カメラ検査の重要性
昨今、大腸がんにかかる患者さんの数は男性、女性ともに年々増加傾向にあります。大腸がんにかかる人は男性に多く女性の1.3倍とされます。しかし、がんによる死因でみると大腸がんは男性では肺がん、胃がんに次ぐ3位なのに対し、女性では1位となっています。大腸がんは早期発見と早期治療が極めて大切です。大腸カメラ検査では、がん化する恐れがある大腸ポリープを早期発見し、切除することもできます。年代別にみると大腸がんにかかる人の割合は40代から増え始め、高齢になるほど高くなりますので定期的に大腸カメラ検査を受けることが重要です。当クリニックでは、最先端のハイビジョンNBI併用フルズーム拡大内視鏡を使用して苦しくない無痛大腸カメラ検査を行っておりますのでご相談ください。
当クリニックの
無痛大腸カメラ検査
の特徴
1 鎮静剤を使用して無痛で大腸カメラ検査を行います
鎮静剤で眠った状態で大腸カメラを挿入し、目を覚ましたときには大腸カメラは終了しておりますので全く苦痛はありません。この方法は患者さんが楽でよいのと同時に内視鏡医にとっても正確な検査が可能になります。なぜなら鎮静剤により患者さんが眠っていて落ち着いた状態であれば十分に大腸の中を観察する時間ができより精密な検査が行えるからです。
2 大腸カメラ検査を受けるすべての患者さんに
高精細画質のNBI併用拡大内視鏡スコープを使用して精度の高い検査を行います
簡単に言いますとNBIシステムは消化管粘膜表面の微細な構造や血管の形を認識するシステムです。拡大内視鏡とは内視鏡検査時にリアルタイムに病変を約100倍に拡大して観察することができる特別な内視鏡です。NBIシステムと併用することにより陥凹型(かんおうがた)がんといわれるへこんだ形の進行の早い危険ながんやLST(側方進展型腫瘍)という大腸の壁を這うように発育してほとんど平らなために発見が難しいがんが発見しやすくすくなります。また、通常の大腸カメラでは発見困難なため最近、この病変からのがん化が注目されている鋸歯状(きょしじょう)病変も発見しやすくなります。病変を発見したら拡大内視鏡で拡大観察し、リアルタイムにピットパターン診断を行い、内視鏡で切除すべきかどうか診断し、治療することができます。この拡大観察画像を得るためにはスコープの微妙な操作が必要で習熟するには熟練を要し、診断にも専門知識や研鑽が必要になります。当クリニックでは大腸カメラを受けるすべての患者さんにこのNBI併用拡大内視鏡スコープを使用して精密な検査を行っております。
この高精細画質のNBI併用拡大内視鏡スコープの診断能力についてはこちらをご覧ください。
3 日本消化器内視鏡学会により認定された
内視鏡専門医・指導医である院長が
大腸カメラを受けるすべての患者さんの内視鏡検査を行います
4 炭酸ガス送気装置を使用して
大腸カメラ検査中や検査後のおなかの張りをなくすようにしております
大腸カメラ検査では大腸の中を隅々まで観察するために通常は空気を送気して消化管を膨らませます。これが、検査中や検査後の腹痛や不快感につながる場合があります。そのため当クリニックでは空気ではなく炭酸ガスを使用しております。炭酸ガスは空気よりも約200倍も体内に吸収されるスピードが速いため患者さんがおなかの張りを感じることはありません。
5 ブルーライト照明を完備した内視鏡検査室で大腸カメラ検査を行います
ブルーライト照明は高精細ハイビジョンモニターに映し出された内視鏡画像の視認性をよくするためより精密な検査が可能になります。内視鏡医が高い集中力を維持しながら検査を進めることができ、近年ブルーライト照明を採用する内視鏡検査専門施設が増えております。
6 大腸ポリープを日帰りで切除できます
大腸カメラ検査の際に大腸ポリープや腫瘍が見つかった場合は、拡大内視鏡でリアルタイムにピットパターン診断を行い、治療方法を決定して内視鏡的切除をすべき病変はその場で切除します。ポリープが大きい場合は入院治療が必要なため、提携先の高度医療機関にご紹介いたします。
7 院内で下剤を飲むこともできます
大腸カメラ検査の準備として、腸内をきれいにするために下剤の内服をお願いしております。下剤はご自宅で飲んで、ご来院することが一般的ですが、下剤の服用がご心配な方は、院内で服用することもできます。ご不安がおありの方はご相談ください。
8 土曜日の内視鏡検査も対応しています
お仕事などのご都合で平日に検査を受けることができない方には当クリニックでは土曜日の検査にも対応しております。
通常の大腸カメラよりも小さなポリープや
陥凹型がんが発見しやすくなる
ハイビジョンNBI併用フルズーム拡大内視鏡スコープ
を用いた大腸カメラ検査
以下に示しますのは通常のNBI内視鏡では診断できない小さな陥凹型(へこんだ)腫瘍を院長がNBI併用フルズーム拡大内視鏡で発見した症例の内視鏡画像です。
ハイビジョンNBIフルズーム拡大内視鏡は大腸の陥凹型がん・腫瘍を発見しやすくします
大腸の早期の陥凹型がんや腫瘍はポリープと違って発見することが難しく、進行が早いといわれております。
ハイビジョンNBIフルズーム拡大内視鏡はこの発見が難しい大腸の陥凹型がん・腫瘍を発見しやすくすることができます。
ハイビジョンNBIフルズーム拡大内視鏡で発見した陥凹型大腸腫瘍
この写真は院長が58歳の男性の大腸内視鏡を施行したときにハイビジョンNBI拡大内視鏡で発見した5mmの陥凹型(へこんだ)大腸腫瘍のNBI拡大内視鏡画像です。
この写真は陥凹型腫瘍のピットパターン診断を行うためにインジゴカルミンという青い色素の液をふりかけて拡大観察をしている画像です。この病変は5mmと小さいですが、このピットパターン診断から高度異型腺腫というがんにきわめて近い病変あるいはがんが強く疑われるためその場で院長が内視鏡的粘膜切除術を行い、切除しました。
その標本の病理組織診断(顕微鏡検査)の結果はピットパターン診断どおりがんにきわめて近い高度異型腺腫でした。
この写真は院長が74歳の男性の大腸内視鏡を施行したときにハイビジョンNBI拡大内視鏡で発見した3mmの陥凹型(へこんだ)大腸腫瘍のNBI拡大内視鏡画像です。
この写真は陥凹型腫瘍のピットパターン診断を行うためにインジゴカルミンという青い色素の液をふりかけて拡大観察をしている画像です。しかし、病変が3mmときわめて小さく、ピットパターン診断が困難のため次の段階のクレシールバイオレット染色によるピットパターン診断を行いました。(次の画像)
この写真は陥凹型腫瘍のピットパターン診断を確実に行うためにクレシールバイオレット染色を行った陥凹部(へこんだ部分)の拡大内視鏡画像です。がんにきわめて近い高度異型腺腫あるいはがんが強く疑われるピットパターンが認められました。そのため院長が内視鏡的粘膜切除術を行い、切除したところ病理組織診断(顕微鏡検査)の結果はがんにきわめて近い高度異型腺腫でした。
大腸カメラ検査で見つかる疾患
大腸粘膜の全域と回腸の一部をチェックすることで、多岐に渡る疾患を見つけることが可能となり、確定診断にも役立ちます。特に、自覚症状が乏しい大腸がんや、がん化する恐れがある大腸ポリープを的確に発見するためには、大腸カメラ検査が不可欠です。
40代以降の方は大腸がんの発症リスクが高まります。なお、メタボリックシンドロームや生活習慣病の発症が増加する40代以降では、大腸ポリープの発症リスクも高まります。そのため、40代以降の方は、定期的に大腸カメラ検査を受けましょう。
また、大腸がんの発症には遺伝的要因も関係すると言われています。ご家族に大腸がんの罹患者や大腸ポリープができたことがある方がいる場合は、40代になる前でも定期的に検査を受けることをお勧めします。
無痛大腸カメラ検査の流れ
1前日
前日の食事は、当クリニックからお渡しする消化しやすいメニューの検査食を食べていただきます。夕食は午後9時までに終えるようにしてください。夕食後に水分補給する際は、無糖かつ透明なお水や薄めのお茶にしてください。午後9時以降に指定した下剤の服用をお願いいたします。
2当日朝
お酒、コーヒー、牛乳などは飲まないでください。水分補給の際は、無糖かつ透明なお水や薄めのお茶を飲むようにお願いいたします。いつも飲んでいるお薬の服用については、医師の指示を必ずお守りください。
3下剤内服
検査が始まる4時間前から下剤を飲んで頂きます。検査の30分前までには当クリニックへお越しください。
原則はご自宅での下剤服用となりますが、心配な方は当クリニックで飲むこともできます。院内で飲む場合はお約束の時間までにご来院をお願いいたします。また、検査で鎮静剤を使用しますので車、バイク、自転車などの運転はできません。公共交通機関のご利用もしくはご家族へ送迎をお願いしてください。
4検査前
検査着に着替えてください。検査の直前に点滴ラインを入れて鎮静剤を注入します。
5検査
検査は30分程度で終わります。なお、検査中に組織採取やポリープ切除をする場合は、所要時間が多少伸びますのでご了承ください。
6検査後
検査が終わりましたら、医師より結果をご説明いたします。鎮静剤を使った方はお休みいただき、覚醒後にご説明となります。検査中に組織採取やポリープ切除をした場合は、当日の注意事項などもあわせてご案内いたします。
顕微鏡(病理組織)検査の結果が出るまでに2週間程度を必要としますので結果が出る頃にご来院をお願いいたします。
検査後の日常生活の注意については検査治療の内容によって異なりますので医師より説明させて頂きます。
大腸カメラ検査の費用
3割負担 | 2割負担 | 1割負担 | |
大腸カメラ検査のみ | 約7,500円 | 約5,000円 | 約2,500円 |
大腸カメラ検査 +病理組織検査 |
約11,000円 | 約8,000円 | 約4,000円 |
日帰り大腸ポリープ切除 | 約24,000~30,000円 | 約16,000~20,000円 | 約8,000~10,000円 |
大腸カメラ検査に関する
よくある質問
最近、下痢しやすかったり、時々下腹が痛いような気がするのですが、どうしたらよいですか
大腸がんや大腸炎などの大腸の病気の可能性がありますので診断のために大腸内視鏡検査を受ける必要があります。
いつも下痢と便秘をくり返しているのですが、どうしたらよいですか
機能性胃腸症(過敏性腸症候群)の可能性がありますが、大腸がんのこともありますのでまず大腸内視鏡検査を受けて診断をしてから治療を受ける必要があります。
時々、便に赤い血が混じったり、トイレットペーパーに血がつくことがあるのですが、どうしたらよいですか
このような症状の場合、痔と思い込んで大腸がんが手遅れになる場合がありますので早急に大腸内視鏡検査を受けて下さい。
大腸がん検診の便潜血検査で陽性になったのですが、もう一度便潜血検査をして陰性になりました。それでも大腸内視鏡検査を受けなければなりませんか
一度でも便潜血検査が陽性ということは便の中に目に見えない血液が混じっていたということなので大腸がんの疑いがありますので必ず大腸内視鏡検査を受けて下さい。
大腸がん検診の便潜血検査を受けて陰性なら大腸がんの心配はありませんか
便潜血検査は楽で安価ですが、進行大腸がんも見逃されることがある検査ですので心配であれば大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。