便潜血検査について
便潜血検査は健診などで大腸がん検診として実施されます。便中の血液の有無をチェックする検査ですが、大腸がん以外の疾患による出血で陽性判定となることも多く、一方で大腸がんが進行している方が陰性となることもあります。数万人規模で考えれば大腸がんを効率的に発見できる検査と言えますが、個々のレベルで考えると必ずしも早期発見に役立つ検査とは言い切れません。なお、大腸がんの発見は難しくても、便潜血検査で陽性になったことがきっかけで前がん病変の大腸ポリープが見つかることもあります。ポリープの早期切除によって将来的な大腸がんの発症を防ぐことも可能ですので、陽性と分かった方はなるべく早めに大腸カメラ検査を受けることをお勧めします。
便潜血検査についての研究によると、早期大腸がんの5割、進行大腸がんの2〜3割は見逃されるといわれています。40代以降の方は大腸がんの発症率が上がるため、便潜血検査が陰性であっても大腸カメラ検査を受けることをお勧めします。
大腸がんについて
早期発見できれば体に負担が少ない内視鏡による治療で完治することもできます。また、前がん病変の大腸ポリープを切除することで、将来的な大腸がんの発症を防ぐことも可能です。なお、初期の大腸がんやポリープは、ほとんど自覚症状がないため、その発見や正確な診断には大腸カメラ検査が欠かせません。
大腸がんの発症者やがんによる死亡者数は非常に多いですが、これは大腸がんがある程度進行しないと症状が現れないことが原因と考えられます。進行すると開腹手術が不可欠となり、患者さんの日常生活や心身への影響が大きくなります。将来的なQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を維持するためにも、症状が乏しい時期から定期的に大腸カメラ検査を受けることで、発症予防と早期発見の実現につながります。
便潜血検査で陽性(+)になった場合
※1回だけ陽性になった場合も含みます
大腸カメラ検査を受けましょう
便中の血液の有無を便潜血検査で確認しますが、大腸がんの有無までは確認できません。大腸がん以外にも便に血液が混ざる症状が起こる疾患は様々あり、正確な診断のためには大腸カメラ検査が不可欠です。
造影剤を使ったレントゲン検査
粘膜の状態や凸凹の有無について検査することで、大腸がんを発症していないか確認します。発症間もない大腸がんは平べったい形状のことも多く、レントゲン検査では発見が難しいとされています。また、がんの位置や大きさによっては発見が難しい場合もあります。さらに、レントゲン検査では疑わしい病変があるかどうかをチェックするのみで、正確な診断のためには組織採取を行う大腸カメラ検査を再度受けていただく必要があります。
早期大腸がんを発見できるのは大腸カメラ検査だけです
大腸カメラ検査では、大腸粘膜の状態を精密に確認することで、平べったく微細な病変でも見逃すことが少ないです。特に、当クリニックでは通常の大腸カメラよりも小さなポリープや陥凹型がんが発見しやすくなるハイビジョンNBI併用フルズーム拡大内視鏡スコープを用いた精密な大腸カメラ検査を行っております。さらに、当クリニックでは様々な症例を経験している熟練の内視鏡専門医・指導医が検査を担当することで、正確性が高い検査を実施しております。
検査中に大腸ポリープが見つかった場合は、フルズーム拡大内視鏡スコープを用いてリアルタイムに病変を100倍に拡大観察してピットパターン診断を行い、内視鏡切除すべき病変かどうかを診断し、切除することができます。
経験豊富な専門医が担当する無痛大腸内視鏡検査
大腸カメラ検査や胃カメラ検査などの内視鏡検査は、内視鏡医の技術や経験、検査で使うスコープや内視鏡システムの性能によって、検査の質や検査中の苦痛が左右されるといわれています。
当クリニックでは、熟練の日本消化器内視鏡学会専門医・指導医が全ての検査を担当し、最先端のハイビジョンNBI併用フルズーム拡大内視鏡スコープを使うことで正確性が高い検査を行っております。また、鎮静剤を使用して無痛大腸カメラ検査を行っておりますのでご安心ください。
前がん病変のポリープや初期大腸がんを日帰りで切除可能
大腸カメラ検査で大腸がんや前がん病変のポリープが見つかった際は、フルズーム拡大内視鏡スコープを用いてリアルタイムに病変を100倍に拡大観察してピットパターン診断を行い、内視鏡切除すべき病変かどうかを診断し、切除することができます。検査中の切除は日帰りで可能ですので、別日に改めて手術日を設定することは不要で、入院も要らないため当日中にご帰宅頂けます。
便潜血検査の陽性は大腸カメラ検査を受けるきっかけとなります
便潜血検査で陽性となった方は、便中に肉眼では確認できないくらい少量の血液が混入しているということであり、消化管で出血が起きている恐れがあります。大腸がんが原因となり消化管で出血が起こることもありますが、そのほかの複数の疾患も原因として考えられます。便潜血検査を受ける方の1,000人中50人は陽性判定となり、さらにそのうち1〜2人は大腸がんを患っているとい言われています。便潜血検査で陽性となった方が精密検査を行った際には、痔が見つかることが最も多いですが、前がん病変の大腸ポリープについても発見数が痔の次に多いです。便潜血検査で陽性となったら大腸カメラ検査を受ける必要がありますので、当クリニックまでご相談ください。
便潜血検査陰性の方へ
便潜血検査では見逃されてしまう大腸がんも少なくないため、陰性だからといって大腸がんのリスクがゼロとは言い切れません。便潜血検査についての研究によると、早期がんの5割、進行がんの2〜3割は見逃されているといわれています。40代以降の方はがんの発症率が上がるため、陰性であっても大腸カメラ検査を受けることをお勧めします。